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よく頂く質問

Frequently Asked Question
和菓紙三昧は何でできていますか?

作品の制作には無形文化財の『西の内紙』という和紙を使用しています。

(和紙とは楮(こうぞ)・三椏(みつまた)・雁皮(がんぴ)を原料とする日本古来の紙のことです。)

西の内紙は国内でも最高級かつ大変貴重な『那須楮』を100%使用した手漉き和紙です。
細くて柔らかな繊維は、シルク(絹)のような光沢としなやかな柔軟さを持ち、なおかつ強靭です。

和紙の原料である楮・三又等は、その土地の気候によって繊維の風合いが全く変わってきます。日本全国に手漉き和紙はたくさんありますが、和菓紙三昧にとっては、このシルクのような「西の内紙」が必要不可欠な要素です。

また、楮の繊維100%なので、パルプの混ぜ物がしてある紙と違い日光で黄ばみません。

1971年、茨城県教育委員会により西ノ内紙は茨城県の無形文化財に指定され、1977年、文化庁長官により西ノ内紙が記録作成等の措置を講ずべき無形文化財に選択されています。

作品の重さは?

吊り飾りの作品のほとんどは、ほぼ和紙だけで出来ているため非常に軽量となっており、1000×1000mmのサイズの作品でも重さは100g前後です。壁を傷つけずに飾ることができます。

パネル作品、額飾り、楯飾りなどに関しては、額部分や台座に木材などを使用しているため、その分だけ重くなっています。

白い作品が多いのはなぜですか?

基本的には、白く輝く和紙に光を当てた時の独特な陰影の効果を重視し、立体的に浮き上がる見せ方を意識しています。ですから、あえて白の美しさを強調する作品が多いのです。

色付き作品の色はどうやって付けていますか?

基本的に1つ1つのユニットは、和紙を約5〜6層重ねて(パーツの大きさによる)造られていますが、色付きユニットは染色された色和紙を、白い和紙の層の間に挟んで型取りしています。
重ね方を変えることでグラデーションや濃淡、にじみ、ぼかしをつけています。

ユニットを型取りした後で表面に着色すると、和紙の風合いが塗料で潰れてしまうため、そのように制作しています。

色和紙を挟む工程は裏側からの作業なので、型から取り外すまでは、透けて見える色の出方、紙の繊維の流れがどのようになっているのか表側を見ることが出来ませんし、全く同じ彩色コピーはできません。

ですので、同じユニットであっても、あなただけの世界で1つのものとなります。

菓子木型とは?

日本古来の落雁やお干菓子、練りきり、金華糖などを作る際に使う木型のことです。江戸期から昭和にかけて様々なお祝い事の時にこれらの菓子が作られました。
修行を重ねた木型職人が木を彫って制作し、個人や各地方でもオリジナリティが垣間見えます。

 

和菓紙三昧はどこの伝統工芸品・民芸品ですか?

和菓紙三昧は、現代美術作家 永田哲也による現代アート作品(コンセプチュアルアート)です。

現代アートはそれぞれの作家が独自の表現で生み出すオリジナリティに価値があります。

伝統工芸や民芸品は、代々受け継がれた技法や、産地の文化の特有性を最も重要な価値として後世に継承し踏襲していきますので、全く分野の違うものです。

また、量産型の工業製品とも全く異なります。

菓子木型の記憶を和紙で型取り、コラージュ作品として昇華させたアート作品は、永田哲也の編み出した独自の表現方法といえます。

木型は自分で彫っているのですか?

木型は全て江戸期から昭和期にかけて実際に使われていた和菓子の木型のみを使用しています。

実際に菓子を作る道具として使われた歴史、その当時の人々が祝った気持ちや木型を彫った人々の記憶を型取ることが重要な要素となっているためです。

1つ1つにその時の嬉しい気持ち、祝いや祈り、慈しみの想いが象られ、それらがアートに昇華されているのです。

どのような工程で作られていますか?

作品1つを造る工程は、ユニット1つずつが全て違うので、機械では絶対に行えない作業です。そのため、作品作りはすべて手作業で進行していきます。

また、木型は金型と違いエンボスプレス等の高圧力での短時間型取りができません。(木が割れてしまいます)

1つずつの工程を手で丁寧に行う、地道な時間作業が必要です。

 

 

日本全国の和菓子の木型を収集することから始まり、木型に1枚ずつ和紙を何層にも重ねながら立体版画のように丁寧に型取っていきます。

1つ1つ型取ったユニットの裏面に2双紙(2枚を貼り合わせた、厚みを出した和紙)を裏打ちし、型取りした「現在の時間」を空洞部分に封印、接着します。

乾燥させたら各柄の周囲のいらない余白部分を、それぞれの形に沿って手作業でドローイングカットします。(0.5~1mmほど残す)

それを1つずつ毎回繰り返して1つ1つのユニットが完成します。

様々なユニットを組み合わせて集合させ、大きな作品を構成していきます。

展覧会以外はどこで購入できますか?

吊り飾りなどの作品は、取扱店やギャラリー、またはHP内「CONTACT」よりお問い合わせいただけます。現在ご購入いただける作品は「CATALOG」をご覧ください。

小物類は、基本的に展覧会や催事でのお買い求め限定としておりますが、一部小物につきましては、下記店舗様にお取り扱いをしていただいております。(常時大量供給できないため、再販未定となることがあります。)

飯沼本家|まがり家ギャラリー

密売東京

KAUNIS

FUKURO TOKYO

作品を実際見てみたいときは?

虎ノ門ヒルズ  ホテル「アンダーズ東京」のエレベーター内をはじめ、各施設のフロントや飲食店舗の内装などで、実際に作品を見ることが出来ます。HP内「ARTWORK」を御参照ください。

また、年に数回ギャラリーでの展覧会やデパートなどでの催事を開かせていただいております。

オーダーメイド作品の依頼、納期などについて

まずはじめに、お客様のご予算ご希望の柄や形をいただきます。細かな部分のお話し合いをさせていただいた上で、最終的な作品のおおよそと金額を決定。

ここからが制作期間のスタートとなります。

作品のサイズや難度、すでに進行している他案件の重なりによっても変わりますが、例えば1m×1mの作品をオーダー頂いた場合、制作期間スタートから3ヶ月〜6ヶ月ほどいただいております。

納品希望日が確定している場合は、お話し合いの段階の日数も入れたスケジュールをご用意いただき、早めのご連絡をいただけますと幸いです。

ご購入のシチュエーションは?

御自身の自宅に飾るため、新築・開店祝い、日頃お世話になっている方へのプレゼント、海外など遠方の方々への手土産に複数お求めになる方もおります。

また、建築デザイン関係のご相談、ホテルやマンション、飲食店の店内装飾などにもご利用いただいております。

作品を空間に飾ることで得られる様々な効果や反響を実感していただき、リピートしてくださる方もおられます。

額装について

作品納品後に、お客様ご自身で額装をなさるケースも多くあります。(ご家族内に喫煙者・お子様がいらしたり、不特定多数の来客がある店舗や公共スペースなど。)

また、作品をご注文時点で額装をご希望の場合、手配することも可能です。(額装専門店に外注して制作して頂きます。作品とは別に額装予算が必要です。)

その場合は作品本体の納期+追加で額装の納期(専門店様約3週間)がかかります。額の種類は額フレーム付きの額装と、アクリルのみで囲う額装などがあります。

お気軽にご相談ください。

日光に当たると黄ばみませんか?

和菓紙三昧の白い作品は、日光にあたっても黄ばみません。作品の素材は、楮のみを使用した本和紙(西の内紙)を使っています。

楮は洋紙の原料である木のパルプとは異なり、黄ばむ成分が殆ど無いため黄ばむことはありません。むしろ和紙は日に晒されていくうちに白くなっていく特徴があります。

ですが、色のついた作品は「着色和紙」を間に挟んでいるため、太陽光に晒されると色が褪せてきます。

もともとの作品の中にクリーム色や茶色みがかったユニットがありますが?

和菓紙三昧の作品は落雁などの和菓子の木型から直接かたどっています。

実際使われていたこれらの木型には、和菓子を作り続けるうちに菓子の成分が木型に染み込んでいるのです。

和紙で丁寧に型取ることで、その染みこんだ成分を今度は和紙が吸い取ります。そのために少しクリームがかったり、褐色をしているものがあるのです。

同じ木型で何度も型取っていくと菓子の成分が無くなっていき、段々白くなります。

後からはもう作り出せないため、歴史上の観点からも菓子の成分が写しとられた色をしているものほど貴重だというお客様もいらっしゃいます。

湿気に対して

日本で昔から愛され、飾られている美術品「掛け軸」などと同じ扱いとお考えください。和菓紙三昧の作品は和紙で出来ていますので湿度の影響を受けますが、通常であれば大きな問題はありません。

和紙は日本古来、壁紙や窓(ふすまや障子)、日用素材として木と共に家屋や生活に使われてきました。紙自体が呼吸をするので、一度湿気を吸っても空気が乾燥すればまた吐き出します。そうやって長い年月を日本人と共にこの風土で暮らしてきたのです。

そのため、常に蒸気が出ているところやお風呂場の近く、熱帯雨林気候など海外の特殊な条件など、常時湿度の異常に高いところでなければ大丈夫です。

また、作品に使用するのりの中に防腐防カビ剤を入れています。

ご心配な方は、お問い合わせの際に設置予定の場所についてお気軽にご相談ください。

ホコリに対して

和紙自体は湿気を吸ったり吐いたり呼吸しているため、静電気が立ちにくいのでホコリを吸着しにくい特性があります。

とはいえ立体造形ですので上の面に多少の空気中の埃が乗ります。

1〜2年に一度、柔らかいハケなどでこのホコリを払えば大丈夫です。

煙草や油の煙に対して

常にたばこや油の煙の心配のある場所では、一般的な水彩・油彩画などと同じように作品の額装をしていただくことをお薦め致します。

まずは、予定している場所自体が、美術品を置く環境に適しているのかを事前にご確認ください。

作品の破損について

和紙を細部まで丁寧に5~6枚重ねて型取りしているので、ある程度の厚みと強度があります。表面を撫でたり軽く触る程度は全く問題ありませんが、中は中空になっていますので、力任せに強く押したり雑で手荒な扱いをすれば凹んでしまいます。

公共の建物内に設置の場合、心配であればニッチへの設置や額装等の工夫が必要な場合もあります。

しかし、これは和菓紙三昧だけの問題ではなく、美術作品(絵画、彫刻など全て)に対する扱う人間のモラルの問題を多分に含んでおります。

作品保護の点からも、通常は美術品に不用意に直接手で触れないこと、触れる際は乱雑に扱わないことが常識範囲内の当然のマナーとされています。