垂直に登る鯉の群れ、
競い合い重なり合い、
鯉と鯉の間に滑り込む鯉たち。
上へ上へと重力に反して登る姿は
艶かしく逞しい。
その全貌は鯉でありながら滝であり、
竜の姿へ辿り着く。
コラージュし、
構成することで動きが創りだされる。
鯉の型は左向きが多く右向きはまれである。
右向きの鯉を何処に配置するか、
また真横の鯉、
斜め上からの視点で彫られた鯉、
滝登りの跳ねる鯉、ポーズもまちまちだ。
彫られた時代によって
顔つきや鱗が絵的にデザインされたものから
リアルに鯉を追求したものまで幅広い。
それらを集合させ、
集積させ構成すること、
そしてそのプロセスに困惑しながらも
一つの答えを得る行為は
エキサイティングだ。